こんにちは。チャクラのママです。重症心身障がい児の放デイ看護師で、【発達障害児支援士】です。そして、自閉症スペクトラム、知的障害、DCD(発達性協調運動障害)の小2長男チャクラと、次男ちゅんころぴー、夫と4人暮らしです。
現在、小2の長男。自閉症スペクトラム障害、知的障害の診断は2歳半頃、発達性協調運動障害の診断は小1でつきました。そして、現在は公立小学校の特別支援学級、知的障害級に通っています。
今日は、私が長男にDCDに対して内服を検討した時の話を書きます。先にまとめだけ書きますと…。
- DCDそのものを改善する薬は、2023年時点で存在しない。
- 【内服でADHDが改善することで、DCDが改善する】ことがあるが、自閉症に併存するDCDでは、同じ内服は逆効果になる可能性がある。
- 運動会のダンスは、うまい、ヘタではなく、本人が【『めっちゃ練習した!やれることはやった!本番も楽しかった!!』】と思えることが大事。
今回の記事の医師からの説明は、あくまで我が家の長男にされた説明です。すべての症例に当てはまるとは限りません。
ご自身や周囲の方に当てはまるかは、かかりつけ医にご相談ください。
発達性協調運動障害(DCD)と運動会のダンス
DCD(詳細な説明は、上記リンクで)のチャクラですが、チャクラは粗大運動も微細運動もどちらも苦手です。
お箸を補助パーツなしで使えるようになったのは小2(この記事の半年前)、ハサミはギザギザにしか切れないし、ジャンプの両足飛びは未だに苦手です。字を書くのも苦手で、プリントの名前欄に均等な大きさで名前が書けません。
できないことをあげればキリがありませんが、その中でも特に苦手なことの一つが集団でのダンス。
ダンスは、表現力・リズム感・見て模倣する力・ボディイメージ・協調運動・動きを組み合わせたりつなげたりする力・バランスなど、様々な能力を組み合わせて行います
ダンスって本当に難しいですよね…。うちの兄弟がお世話になっていた保育園には、なんと運動会がなかったのです。これはチャクラにとって、とてもラッキーだったと思います。
なので、運動会は小学校で初めて体験するイベントでした。運動会と言えば、1学年みんなで踊るダンスですよね。もちろん、大人数のダンスも初めてでした。
夏休み明けの2学期。支援学級の先生から、ダンスのお手本動画をもらい見てみると…。
曲、めちゃくちゃテンポ早い!!!
動き、むず!!!
その年の運動会は、9月末。つまり、練習期間は20日間程度。そんな短期間で、みんなと踊るダンスを覚えて踊れるようになるなんて…
チャクラには難易度が高すぎる~!!!!!
でも、チャクラ、練習頑張ってる…。なんとかしてあげられることはないのかな…。
インターネットで検索すると…。
『頑張ってるチャクラに、何かしてあげられることはないのかな』、そう思い、インターネットで色々検索しました。すると、一冊の本を発見しました(とっても良い本です。また紹介します)
この本の中で、下記の1文を発見します。
DCDに対する保険適用の薬剤は現時点で存在しませんが、ADHD併存例では、保険診療の範囲でADHD治療薬による薬物療法が可能です。
(上記本より一部抜粋)
これはもしや、チャクラの何かお薬を飲めば、DCDが改善して、ダンスが踊りやすくなるのでは!!??
そう思い、タイミングよくあった定期診察で、主治医に相談しました。
DCDと内服
チャクラに、DCDを改善する薬を処方してください!!!!
その本に書いてある内服の効くDCDと、チャクラくんのDCDは別なんですよ。
は…???
主治医からの説明をまとめると…
- DCDそのものを改善する薬は、2023年時点で存在しない。
- 同じ「DCD」という症状が起こっていても、自閉症によるものだったり、ADHDによるものだったりと、原因が違う。
- 上記の本の説明は、【内服でADHDが改善することで、DCDが改善することがある】ということ。
- チャクラは自閉症によるDCDなので、同じ薬を使っても、逆効果になる可能性が高い…。
チャクラくんには今までやってきている、運動療法や作業療法、環境調整などが適していると思います
がーん…。
結局、教えてくれたのは…
私は失意のまま、チャクラと練習を続けました。鏡を使って練習をしても、腕はピッと伸びないし、手足はバラバラ。とても踊れているようには見えませんでした。
そして迎えた運動会当日…。
チャクラ、めちゃくちゃ楽しそうに踊ってるな!!
そうなのです、チャクラは自信満々に、そして楽しそうに踊っていたのです。もちろん、とても踊っているようには見えませんw。でも、なんせ楽しそう!!!!感動しました…。
そして帰宅したチャクラに聞くと、
めちゃくちゃ練習したし!!
みんなと踊れて楽しかった!!!
そこで私はいろいろ考えすぎていたんだなと、ようやく気付いたのです。
うまい、ヘタの問題じゃない。
【チャクラ自身が『めっちゃ練習した!やれることはやった!本番も楽しかった!!』と思える】ことが大事なんだ。
色々悩んで調べたりしましたが、私はこういう結論にたどり着きました。これに気付いたことで、運動会のダンス練習が(ほんのすこーしだけ)苦にならなくなりました!
- DCDそのものを改善する薬は、2023年時点で存在しない。
- 運動会のダンスは、うまい、ヘタではなく、本人が【『めっちゃ練習した!やれることはやった!本番も楽しかった!!』】と思えることが大事。
今回の記事の医師からの説明は、あくまで我が家の長男にされた説明です。すべての症例に当てはまるとは限りません。
ご自身や周囲の方に当てはまるかは、かかりつけ医にご相談ください。